第2章 波乱の同居生活

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 いつうちの親が千晃くんの両親にぽろっと言ってしまうかわからないし、ご近所ネットワークだってすごい。早めに片付けなきゃとは思っているけど、なかなか踏ん切りがつかないでいる。 「前々から思ってたんだけど、椎花はどうしてそんなに早く結婚したいの? 結婚なんて束縛のし合いで、いいことなんてひとつもないじゃん」  そう断言する彩子は以前から独身推進派の人間だ。自分の時間を誰かに奪われたくない。一人でだってこのご時世生きていけると、いつも言っている。だけど彼氏は途切れさせたくないらしい。 「うちは二人とも高齢だから。バージンロード歩けるうちに、ね」 「え? でもまだ60代でしょ?」 「うん……実はまだ千晃くんにも言ってないんだけど、お父さん病気を抱えてて。だんだん筋力が衰えていく病気なんだ。去年わかったことなんだけどね」  お兄ちゃんが結婚すると決まってから発覚した病気。めでたい出来事と、悲しい事実が重なり、どうしていいかわからなかった。しかも私は上京することが決まっていて、色んなことが一気に押し寄せて、精神的にいっぱいいっぱいだった。思い出すだけでいまだに胸の奥がヒリつく。 「そうだったんだ。じゃあ婚活頑張って、父さんに早く花嫁姿見せてあげなきゃね! また合コンセッティングするよ。今度はエリートぞろいにしとくからね!」  そう張り切る彩子にお願いします、と言って頭下げた。
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