第1章 意地悪幼馴染と再会

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「もしもし、遥斗? 今どこ? よかった、つながって。心配したんだよ。あとどのくらいで来れそう?」    まくしたてる様に質問をぶつける。すると向こうから、頼りない声が聞こえてきた。 「椎花、ごめん……俺行けない」 「えっ? 行けないってどういうこと?」 「俺、旅に出ることにしたんだ」 「いきなりそんなこと言われても意味わかんないよ。今からでもいいから、お願い来て」  人目もはばからず懇願するように何度もそう叫ぶ。だけど遥斗は最後にごめんとだけ言って電話を切った。それ以降、電話はつながらなくなり、ラインもブロックされ完全に拒否されてしまった。  どうしていきなりこんなことになったのだろう。両親に会ってくれるって言ったのに。昨日まで普通だったじゃない。ひどいよ、こんなの。両親になんて言えばいいの?きっと悲しむだろうな。二人の顔を想像しただけで、視界が滲んでいく。
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