第3章 戸惑いのプロポーズ

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「え? どうかしたの?」 「実はさ、急用っていうのは嘘で……」 「えー? どういうこと?」  じゃあどうしていきなり帰ったりしたの? あんなに千晃くんに会いたがっていたのに。いったい何がしたいのか。隣でへへっと苦笑いを零す彩子の意図が全然わからない。 「だってさぁ。高宮さん、椎花にすっごい甘いし、私場違いじゃーんって思って」 「そんなことないよ。ただ子供扱いされてるだけって言うか。私が色々とドジだから」 「でも視線すらも甘いんだよ? 気づいてた?」  そう指摘されへっ? と目を見開く。視線が甘いってそれはどういうこと?   確かに再会した千晃くんは大人になったからなのか、私にすごく良くしてくれるし、昨日もちょっとした火傷だったのに、過保護すぎるくらい心配していた。でもそれは妹的な存在だからで……。
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