月曜のアクシデント

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『圧倒的だね…』  とりあえずお礼を言うと、彼女は難しそうな表情を返してきた。 「問題はそこではない。敵対勢力のいくつかが既にわらわの移動に勘づいているということじゃ」  先ほどとはまるで別人だ。もしかしたら、魔物越しに敵が見ていることを想定して強がってみせたのかもしれない。  彼女は髪を手で整えた。 「まあ、全て撃ち落としたゆえ、お主のことまでは気付いておらぬじゃろう」  敵対勢力か。彼女は自分のことを魔族の王の娘と言っていたが、そんな人物に手を出すということは、相手も相当な実力者なのだろう。いや、魔王の娘ということは… 『ところで、君の部下は?』  僕の質問が唐突だったのか、少女は目を見開いてから少し間を置いた。 「残念ながら、戦いで散り散りになってしまっておる」  なるほど。つまり僕の世界に戻ったら、刺客から身を隠しつつ仲間探しをしなければならないということか。 「そろそろじゃぞ」  間もなく、光に包まれた。
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