共同生活、開始

2/12
39人が本棚に入れています
本棚に追加
/274ページ
 先ほどの鬼のような姿をした少女は、いつの間にかごく普通の少女に姿を変えていた。年齢的に女子高生といったところだが、ジーンズにTシャツという女性らしくない格好をしている。  ん、この格好はどこかで… 『何で僕と同じような格好を…!』 「わらわとてこんな格好は好かぬわ。この世界の服がわからんから、とりあえず、お前のを適当に複製させてもらった。あのままでは目立って仕方ないからの」  そんなことができるのか。  少し歩くと、僕は横目で少女を見た。 『君は、これからどうするんだい?』 「生憎、この世界のことは何もわからん。しばらくお主の家に厄介になる」  彼女はこの状態なら日本人の少女のような姿をしているが、本体は鬼みたいな何かだ。野放しにしたら何を始めるかわからない。 『わかった。僕の家はこっちだよ』 「うむ、案内せよ」  相変わらずの上から目線だ。
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!