カルチャーショック

5/15
39人が本棚に入れています
本棚に追加
/274ページ
 トイレから出ると、レイはシャワールームに興味を持ったようだ。じっと眺めると僕に視線を向けた。 「この小部屋はなんじゃ?」 『シャワールームだよ』 「シャワー? 水の気配を感じるが…こっちは一体、何をする場所なのだ?」 『体を洗う』 「身体を?」  僕はガラス張りの引き戸を開くと、シャワールームを見せてみた。それはとても狭く、1畳あるかないかという空間だ。床も壁もタイル張りになっており、レイから見れば異様な空間に見えるだろう。 「何じゃ? こんなものでどうやって身体を洗う?」 『こうする』  僕はレイの目の前で蛇口を捻ってみた。当たり前だがシャワーヘッドから水がザっと姿を見せる。レイは「ややっ!?」と声を上げていた。 「こんな風に水が出るとは…それに、よく考えればここは2階ではないか!」  レイは排水口に流れ落ちる水を眺めながら言った。 「先ほどのトイレと言い、台所と言い…この施設はとんでもないな」  シャワーの水を切ったら、レイは「待て」と言って僕を見た。
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!