カルチャーショック

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 そういえば彼女は前の世界では敗れたと言っていた。ということは、この世界で力を取り戻して魔族としての”仕事”をするつもりなのだろうか。 『君もやっぱり、前の世界かこの世界を侵略するつもりなの?』  レイは困り顔になった。 「夢を見るのもいいが…それ以前にやらねばならないことがある」 『それは一体…?』 「わらわはあの世界を知りすぎている。連中もわらわがこの世界に転移したことをわかっているじゃろう。先刻のように必ず刺客を送り込んでくる」  僕はじっと考えた。 『もしかして、僕も制裁の対象になる…と?』 「その通り。わらわと共に異界から戻ったのじゃ。協力者と見なされるはず」  なるほど。この様子だと、今から彼女と別れても襲われる危険性は高いということか。たった一瞬の不注意がこれほどの面倒ごとを招くとは、これも歩きスマホのペナルティという訳か。 『何か、役に立ちそうなものは?』  レイは指をはじくと、僕とレイの間に鍵付きの鉄の箱が出てきた。彼女はポケットから鍵を出し、その中身を開く。 『こ、これ…!?』
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