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コメを洗い終えた僕は、炊飯器の蓋を開けた。
「何じゃこれは?」
『その食べづらい稲を調理する機械だよ』
そう言いながら米と水を入れると炊飯器スイッチを押した。メロディーと共に、68分という数字が出る。
レイは、不思議そうに炊飯器を眺めていた。
「一体、何が始まるのじゃ!?」
『後は待つだけ』
そう言いながら僕はフライパンを電磁調理器の上に置いた。その表面に油をひくと、昨日のうちに買っていたステーキ用の牛肉を出し調理を始める。
レイは訝しい顔のままフライパンを眺めていた。
「焼けているが…炎の気配がない」
『火事も心配だからね』
レイには言わなかったが、ガス代は高いので、これと電子レンジで間に合わせるようにしている。
「ハジメ…お主は何者じゃ?」
『ただの労働者』
本当か。と言いたげにレイは僕に視線を向けた。
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