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だいぶ肉も焼け、調味料に手を伸ばすとレイは口元を手で覆った。
「お、お主…それ、それは…!」
『え? 調味料だけど…』
レイは勢いよく僕から調味料を取ると、容器を開いて中を覗き込んだ。
「やはり、胡椒ではないか!」
ステーキがジュージューと唸りながら調味料を催促している。早く返して欲しいと思ったがレイはなかなか返してくれない。
「しかもこんなに! お主…本当に平民なのか!?」
『だから、そうだって。それも平民の中の下っ端…最下層だよ』
「…わらわをからかおうとしているな! その手には乗らんぞ」
『あのね、僕がお金を持っていたら、こんなちっちゃくてボロいアパート暮らしなんてしてないですから』
「むう…」
レイは改めて僕の家の中と窓の外を代わる代わる見た。
「確かに、他の家よりも小さいくて古いことは認めてやろう」
大屋さんごめんなさい。
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