カルチャーショック

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 根気強く胡椒の話をし、やっとレイは納得したようだ。 「なるほど、近くの店に売っている訳じゃな。どうやって手に入れるのじゃ?」 『これなら100円ちょっとで買えるよ』  レイは「100円?」と反芻した。 『うん、僕が5分ちょっと働けば買えるくらいの値段』  しばらく部屋は沈黙した。僕はステーキに仕上げの胡椒をかけ、電磁調理器のスイッチを切ったところでレイの目が僕に向いた。 「もしや、お主の世界は貴重な調味料を大量生産出来ているというのか!?」 『まあ、そうだね』 「ならば、今すぐに胡椒を買い集めるぞ!」 『待って待って、時間を見て!』  時計は既に21時半を指している。深夜帯に営業している店もあるが、残念ながら僕の家からは遠い。 『この時間だと、近所の店は閉まってるよ』 「むう…そうなのか…では、明日にしよう」  それにしても胡椒を大量に欲しがるとは、彼女の考えていることがいまいち理解できない。  
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