デート…なのか?

9/9
39人が本棚に入れています
本棚に追加
/274ページ
『多分、君のデータベースと照合したんだよ』  僕はそう言いながらプロフィール欄を出して彼女に向けた。盟主という欄にレイの名前が記されている。 「勝手にわらわの知識が使われるのか。便利なのか不便なのか…」  とりあえず、レイの怒りも収まったところで、僕は先ほどの男の画像を確認してみた。当たり前だが名前もわかっていないので、ほとんどの欄が?表示となっている。  隣から覗き込んでいるレイも困り顔になった。 「これでは、わかっていないのと同じじゃな」  サラリーマン風の男と、異世界の狼族の男。年齢が違うことから、最低でも2人どこかの勢力に加担する者がいることは明らかだ。  僕はスマートフォンをポケットにしまった。 『狼族ということは、やっぱり強いんだよね?』 「うむ。狼の血をひくマンゴーシュはとても攻撃的じゃからな。組み合えばわらわとてただではすまぬ」  つまり、探り手の僕にとっては天敵に成り得る相手ということか。  僕はカレンダーを見た。そういえば、明日から仕事に行かなければならない。
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!