カルチャーショック

1/15
39人が本棚に入れています
本棚に追加
/274ページ

カルチャーショック

 レイの前で蛇口をひねって見せた。 「おお…!」 『こうすると、水が出る』  蛇口を元に戻すと、レイはジロジロと蛇口を眺めはじめた。 『で、この白いのが石鹸。これは水につけると溶けてなくなっちゃうから、気を付けてね。それで…』  そこまで言いかけて、レイが話を聞いていないことに気が付いた。 『レイ?』 「この筒のようなものから…どうして水が出るのじゃ? 見たところ水の精霊の気配もないが…」  レイは僕の歯磨き用のコップを手に取ると、ゆっくりと蛇口をひねった。少しずつ水が出始めると、彼女はコップに入れていく。  なみなみとコップに水が満たされると、彼女はじっと眺めた。 「ふむ…見たところ汚れはない」  レイは水のにおいを嗅いだ。 「このにおいは…何じゃ?」
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!