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カルチャーショック
レイの前で蛇口をひねって見せた。
「おお…!」
『こうすると、水が出る』
蛇口を元に戻すと、レイはジロジロと蛇口を眺めはじめた。
『で、この白いのが石鹸。これは水につけると溶けてなくなっちゃうから、気を付けてね。それで…』
そこまで言いかけて、レイが話を聞いていないことに気が付いた。
『レイ?』
「この筒のようなものから…どうして水が出るのじゃ? 見たところ水の精霊の気配もないが…」
レイは僕の歯磨き用のコップを手に取ると、ゆっくりと蛇口をひねった。少しずつ水が出始めると、彼女はコップに入れていく。
なみなみとコップに水が満たされると、彼女はじっと眺めた。
「ふむ…見たところ汚れはない」
レイは水のにおいを嗅いだ。
「このにおいは…何じゃ?」
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