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「はー、やっと手に入れた」
安堵したように深く息を吐いて、俺にぎゅっと抱きつく。
「蒴?」
「俺、男が好きだって気づいたのも航希のことで。航希しか好きになったことなくて.......でも、いざ近づこうとしても俺こんなだし、なんか嫌われてそうだし.......だから、女装してる姿の航希を見た時チャンスだと思ったんだ」
「.......そうだったのか」
俺も蒴の背中に腕をまわす。
「つーか、好きならなんで避けてたわけ?」
「あれは.......まぁ、航希と体は繋がったけど不安になっちまって。引かれてたらどうしようって.......」
「ばーか、俺はもうお前のこと好きだったよ」
「.......そっか。よかった」
ホッとしたように笑う。
「蒴、キャラ違いすぎんだろ」
なんだか、急に蒴が可愛く見えてしまう。
「うるせーよ。そんなこと言ってられないようにしてやんぞ」
ギラギラとした目をして、俺のモノをまた弄りはじめる。
「.......っ、蒴.......やめ「やめるか?」
蒴の声に、自然と首を横に振る。
「.......好き、蒴」
あんなにも難しかった、辛いと思ってた恋。
思いが重なったらこんなにも幸せになれるんだ。
俺たちは、普通の恋人ではないし、この先困難がきっと待ち受けているだろう。
でも、俺は蒴と一緒にいたい。
難しい恋だけど、それ以上に俺が蒴のことを好きだから。
-Fin-
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