453人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
「なぁ、蒴どこにいるか知ってる?」
蒴と体を重ねてから1週間。
俺は、明らかに蒴から避けられていた。
「いーや、あいつ最近付き合いわりーんだよ。遊びにも行ってくれないし昼休みもこうしてどっか行っちまう」
「高崎(たかさき)に対してもそうなんだ?」
「俺的には、南のほうが知ってると思ってたよ。あいつ、南といる時なんか俺らといる時とちがう気がしたから」
俺にとって、高崎は蒴と1番仲のいい存在だと思ってた。
そんな、高崎からみた俺達がそういうふうに見えていたのは素直に嬉しい。
でも、最近の蒴は全然このクラスに授業中以外いないことの方が多い。
「あいつ、女でも出来たのかな」
「え?」
「いや、1週間くらい前かな?好きなやつと上手くいきそうって言ってたから」
「.......そうなんだ」
好きなやつと言われて、蒴が初めて好きになった同じ高校にいる男を思い出す。
顔も名前も知らないけど、蒴は俺とあんなことになりながらも自分はちゃっかり好きなやつとうまくいっている事実に拳が震えそうだった。
最初のコメントを投稿しよう!