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「心因性記憶障害の可能性があります。精神的なストレスで記憶が失われてしまう病気です。過去にも何回かありましたか?とはいっても、その記憶もない可能性もありますが、、」
なんと亮太さんは記憶を失っていたのだ。
そしてお母さんをみて震えている亮太さん。
誰だか知らない人が号泣していることに怯えているようだ。
もちろん私のことも覚えてないよね、、?
そして亮太さんは退院し、実家に帰った。
自分の部屋にこもり、布団にくるまって泣いていた。
わたしには見てるだけしかできないの?
なんで亮太さんばっかりこんな思いするの。
そして亮太さんは自殺を図ろうとしたこともあった。
お願いだからやめて!
私はとにかく祈っていた。
幸い、毎回途中でやめてくれた。
僕は死ねないんだ、、って毎回言っているのが気になった。
そして亮太さんはリハビリを始めた。
亮太さんの回復力は非常に高く、どんどん思い出していった。
そしてついに、、
美香、、、?
亮太さんの口からずっとききたかった言葉を聞くことができた。
やっと思い出してくれた。
だがそれを思い出した後亮太さんは暗い表情をする。
どうして、、別れてしまったんだ。。
まだそこは思い出せてないのね。
でも、ゆっくりでいいからね。
そして私が死んでから、3年半の月日が流れ、
ついに亮太さんはすべて思い出した。
亮太さんは大泣きしている。
現実を受け止めようとしているんだ、亮太さんは。
亮太さんは泣き終えたあと、私の両親に連絡をした。
そして私の仏壇に線香をあげに、亮太さんは家まで来てくれた。
やっと私の死を受け入れてくれたのね。
亮太さんはラインを打ち始めた。
「美香、ありがとう。僕はこれからもずっと美香のことを好きだし、もう忘れないからね。君が生きていなくても、僕の心の中に美香はずっといるんだよ。」
亮太さんからのラインは、私を満たしてくれる。
私もずっとずっと好き。
きっと他の人を好きになってと願っても、亮太さんは私を思い続けてしまうのかな。
亮太さん、ありがとう。
そして今まで亮太さんの中で生きていた私とはさよならです。
でもこれからも私は魂となってそばにいるし、
ずっと見守っているからね。
完
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