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付き合って分かったことだが、亮太さんは私が思っているよりも子どもだった。
料理はできない。
実は甘えん坊。
でもなんでだろう。
本来好きでない人だったら絶対許せないようなことが、
亮太さんだと許せる。
むしろかわいく見えてしまう。
料理を作ったら、これでもかってくらい喜んでくれた。
そんな喜ばれたら、また作ってあげたくなっちゃうじゃない。
でもその気持ちを抑えて、
一人暮らしでもできる料理を教える。
自炊が少しでもできるようになってほしいもの。
家でのデートも嫌いじゃないけど、毎日だと飽きる。
それを亮太さんは分かってくれていて、散歩であったり、遊園地だったり、と連れて行ってくれた。
旅行にも行った。
こういうのも女子は嬉しいのよ!
そしてなにより一番うれしいのは、話を聞いてくれること。
そして客観的な意見をくれること。
私はいつも笑顔だねって言われる。
なんで笑顔でいるかっていったら、
笑顔でいれば心配をかけないで済むから。
辛い時も、疲れた時もいつも、大丈夫って答えてしまう。
亮太さんにはそんな私はばればれだった。
だいじょうぶじゃないでしょ?
あれだけアルバイトして疲れていないわけないでしょ?
そんなことない!って意地になって返す私は、ほんとはすごく幸せだった。
そんな生活も、ある日終わりを告げる。
私だけ、ね。
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