終わらない愛の始まり

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亮太さんとの出会いは、大学での新入生歓迎会、略して新歓のときである。 大学受験をサボった私こと高橋美香は、浪人をして、無事に大学へ合格した。 女子で浪人は良くないと周りからも言われたけれど、私にだって見栄はある。 様々な思いに葛藤しながら浪人生活を乗り越えた私に待っていたのは、夢のような世界であった。 大学の門をくぐると、 先輩たちが、新入生たちにたくさん声かけをしている。 こんなに周りから勧誘を受ける経験なんて無かった。 戸惑いつつも、必要とされている感じがとても心地よかった。 そして、たくさんのパンフレットを受け取り、他の新入生たちに続いて歩いていった。 テニスサークルはどこだろう。 私は高校時代テニス部だったので、テニスをやりたかった。 とはいっても部活では大変なので、サークルがちょうどよいと考えていた。 といっても私の方から声をかけるのは緊張してできなかったので、どうすることもできず、きょろきょろしていた。 そこで話しかけてくれたのが亮太さんである。 優しそうな雰囲気で背は私より少し高いくらい? 笑顔がくしゃっとなるところがかわいらしい親しみやすい人であった。 「こんにちは。どこのサークルに入るかはもう決めてるの?」 亮太さんは、あまりチャラチャラはしておらず、真面目そうであった。 ちょっとチャラい人は私は苦手であったので、安心した。 「こんにちは~。まだ決めてないんですよ。テニスサークルに入れたらいいななんて思ってて。」 まさかこの人がテニスサークルの人だったりしないかな? なんて期待してみたけど、まあ無理だろうと思った。 違うのであれば、テニスサークルがどこか案内してもらうことにしよう。 「それだったら、僕の入っているテニスサークルの話少し聞いてく? それと一緒に大学の授業の履修登録の手伝いするよ!」 私は嬉しくて気持ちを正直にいってしまいたい気持ちを抑えていた。 まさかテニスサークルの人に声かけてもらえるなんて。 そして、大学の履修もどうやって組んだらいいかわからなかったからすごく助かった。 「そうなんですか!それだったらぜひお話しききたいです!」 あまり抑えきれてなかった。 そして、亮太さんについていき、とても綺麗なお姉さんのところに案内された。 そして亮太はそのお姉さんと話したあとどこかへ行ってしまった。 どこ行ったんだろう?なんて考えていたのはすぐに吹っ飛び、そのお姉さんをじろじろ見ながら、履修登録の手伝いをしてもらった。 もう私のなかではこのサークルしかない。 真面目そうだし、テニスもたくさんやれるから楽しみ。 私はこれからの大学生活に心を踊らせながら、いろいろと妄想をしていた。 だが、そのあと私を待っていたのは大失恋である。
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