愛は積み重ねるもの

2/2
前へ
/16ページ
次へ
亮太さんから、電話をしてもいいかとの連絡が来た。 私を心配してくれているのだろうか。 最近眠れないことが多かった。 だから誰かと話していれるのは寂しさも紛れてありがたかった。 初めての電話も一緒に飲んだ次の日だったのであまり緊張せず話せた。 それから次の日も電話をしたいと言われた。 私は電話が楽しかったので断る理由もなく電話をした。 次の日も、また次の日も。 そして亮太さんは私が眠そうになるとそれを察して電話を切ってくれる。 とは言っても私が寝落ちしてしまうこともあった。 そんな時は亮太さんは電話を切らないでいてくれて、朝起きても繋がっているのだった。 亮太さんの寝息が聞こえてくる。 いつまで起きててくれたのかな? ほぼ毎日のように電話をくれて、私の中で亮太さんとの電話は生活の一部になっていった。 アルバイトで疲れて帰ってきた時も亮太さんとの電話は癒しである。 なんでも話を聞いてくれて、アドバイスもくれる。 そしてある夜の帰り道、ふと寂しさを感じた。 亮太さんの声が聞きたい。。 その気持ちを抑えきれなくなった私は、私には珍しいぐらいの勇気を持って、 ラインをした。電話をしてもいいですか? すぐに返事がきて、電話をかけた。 「どしたどした、美香から電話なんて珍しい、何かあったのかな?」 亮太さんが心配そうに言う。 こんな風に心配してくれるのも嬉しい。 私は亮太さんのこと好きなのかも。 「ううん、なんか夜道を一人で歩くのも寂しくて、声が聞きたくなりました。」 つい甘えた口調でいってしまった。 重い女って思われたかな? 少し亮太さんが静かになって、そのあとに、 「そんな時もあるよね。 少しでも寂しくならないようにするね。」 と優しくいってくれた。 そんなこと言うのずるいよ。 かっこいい。 「ありがとうございます。 亮太さんと電話できてよかったです。」 私は思いをそのまま、口にした。 いつから私はこんなに亮太さんのことばかり考えるようになってしまったんだろう。 積み重なっていく恋心を感じながら、私は眠りについた。 亮太さんも同じ思いでいてくれたら、いいな。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加