私の方が好きかも

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告白された日は亮太さんとの公園デートの日であった。 よく晴れていて、もうすぐ冬になるとは思えないくらいの温かさであった。 お昼過ぎ頃、私の家から近いからか、亮太さんは家まで迎えに来てくれた。 こういう些細な気遣いができるところも好き。 そして、公園までは歩いていった。 最近運動不足な私にはありがたい。 バス使う?なんて聞いてくれたけどお金もかかってしまうし断った。 公園に着き、たわいもない話をしながら一通り回った。 さわいでいる子供たちを笑顔で見ていた亮太さんは素敵だった。 気がつくと辺りは暗くなってきていた。 そして最後は観覧車。 高いところから見る夜景が大好きってことは前に伝えてあったから、選んでくれたのかな? なんて考えながら心踊る気持ちで乗った。 しかし待っていたのは私の予想外の言葉であった。 いい意味でね。 「美香のことが好きなんだ。 毎日毎日君と話すのが幸せで、癒されてる。 そんな君とこれからも一緒に過ごしていきたい。 よかったら、僕の恋人になってくれませんか。」 心が熱くなった。 好きでいてくれてるのかな、なんて期待は抱いていたけど、こうやって言葉にしてくれるとより実感できた。 すごい嬉しい気持ちでいたのだが、少し考えて冷静になると、いきなり不安になってきた。 でもサークル内恋愛だし、他の人の噂になったらどうしよう。 「私も好きだけど、やっぱりサークルでの恋愛は怖いんです。 みんなに隠せますか?」 あーなんか条件つきみたいにしちゃってる。 不安なのバレバレかなあ、、 「もちろんだよ。言わないでおくね。」 亮太さんは私の気持ちを察してくれたのか、そういってくれた。 「それなら、これからどうぞよろしくおねがいします。」 嬉しい気持ちを抑えながら私は言った。 それを聞くと、亮太さんは笑顔を見せて、私にキスをした。 初めての亮太さんとのキス。 すごく熱い気持ちでもっとしてほしい気持ちになる。 でも、そんなことしたら変な女なんて思われそうだからできない。 そして、観覧車から降り、帰り道は家まで亮太さんが送ってくれた。 変わったのは、手をつなぐようになったことくらい? 私はふと思って、 「なんだか、付き合ったけど、前と変わらない感じですね。」 今まで通りですごく安心できる感じ。 「確かにそうだね。それくらいがいいんじゃないかな?」 亮太さんは笑って答える。 そして私たちは恋人になった。 このあとは幸せな生活が続くだろうな。 私は帰ったあとお風呂の中で今日の出来事を思い返しながらにやけていた。 まさか1年後辛い日々が訪れるだなんて想像もしてなかった。
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