友情

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友情

 それもおいおい触れるとして話は中学2年に戻って人気絶頂だった頃の晩秋の或る日曜日の昼下がり、僕は柿野の住むアパートでテレビゲームをして遊んでいると、柿野が言いづらそうにぼそりぼそりと呟いた。 「あのー、短い交友だったけど今まで楽しませてくれて有難う」 「えっ?!」  正に寝耳に水で僕は驚いた拍子に手元が狂ってテレビゲーム機を床に落としてしまった。が、そんな些事はさっさと閑却して度を失った儘、慌てて柿野に体を向けた。 「どういう事だよ!」 「実は急に父親の転勤が決まって福岡へ引っ越さないといけなくなったんだ。」  僕は俄かには信じ難い柿野の言葉に、「えっ!?福岡!?」と言った切り、固まってしまった。そんな僕に彼は物憂げに、「うん」とだけ答えた。
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