友情

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「だろう!」と柿野は破顔の儘、嬉しそうに答える。 「柿野はユーモアを解する能力が抜群だ!」 「だろう!」と柿野は判で押したように答え、僕の方へにじり寄る。 「そのお蔭で僕はクラスの人気者になれた様なものさ!」 「だろう!」と柿野は果然、答え、僕の方へいざり寄る。 「柿野はほんとうにいい奴だ!」  この褒め言葉に感概一入となった柿野は、福々しい顔をくしゃくしゃにして喜び、興奮して、「だろう!」を連発し、更にいざり寄ると、勢い込んで、「ありがとう、ケイタ!握手しようぜ!」と右手を差し出し、握手を求めて来た。  僕は喜んで、「ああ!」と応じて握手をすると、直ぐに僕らは照れ臭くなって手を離した。そうしてお互いにはにかんでいる内に柿野がどうしても僕に礼を言いたくなったのだろう、少し前に乗り出して口を切った。
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