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「僕さあ、さっき、ケイタの所為で成績が悪くなったみたいなこと言ったけど、勿論、そうじゃないんだ。寧ろ成績が上がって来てるんだ。何でか分かるだろ!」
僕はこれまで柿野に何度も勉強を教えていたので、彼は僕に、僕が勉強を教えてるからだろ!と言わせたいんだと直ぐに察知して、彼の見え見えの質問に素直に答えるのは面白くないと思ったから、ここは一つ意表を突いて、ちょっと笑わしてやろうと機転を利かして、まずはこう持ち掛けた。
「うん、分かるよ、柿野!到頭、身に付けたんだな!」
「えっ、僕が?何を?」
「夏休みにここで僕が柿野に勉強を教えてたら柿野が、『勉強しずに良い点を取る方法って無いもんかなあ?』って聞いて来た時に僕が、『先生の眼を盗んでカンニング出来るようになれば良いじゃないか!』って言っただろ!」
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