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人間嫌い
その二週間後、柿野は本当に福岡へ引っ越してしまったのだ。事も有ろうに唯一僕が心を通わす事が出来た柿野が、選りに選って唯一僕の中身を理解した柿野が、有ろう事か、唯一僕を心から慕っていた柿野が、お別れ会も何もなく二学期の途中に忽然とクラスから消えてしまったのだ。
「なんて僕の運命は苛酷なんだ!」と自ら嘆くのも無理はなかった。
僕は柿野がいなくなった所為で弾切れの機関銃のように一時はすっかり大人しくなってしまった。そのどん底から立ち直ってからも錆びまるけの機関銃程度にしか回復せず、而も銃身まで錆びて行くように道化の冴えを失って行き、いつしか人気に陰りが見え始め、三学期に入ってから徐々に苛めを受けるようになり、三学期の中頃からは毎日、執拗な苛めに悩まされる憂き身になってしまったのだ。
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