人間嫌い

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 武本は中学一年の時は担任の先生が不真面目な生徒には鉄槌を下し折檻も辞さない厳しい面が有る反面、面白い面も有る人気の高い先生だった為、その先生の前では良い子ぶっていたし、その先生によってクラス内が苛めはタブーの状態にあったので僕が暗くても僕を苛める事はなかったが、中学二年に進級して担任の先生が生徒から嘗められていた高齢の爺さんになった途端、仮面を脱ぎ、奸物たる本性を現して弱い立場の者を苛めるようになり、夙に僕が人気者である事が気に食わなかったから僕の人気に陰りが見えて来て僕が弱い立場になったのを潮に僕も苛めるようになった訳だ。  そして武本は学級委員を言いなりにする位、恐持てする生徒で草木も靡く威勢を誇っていたので武本に周りが焚き付けられ、僕がそれまで仲間だと思っていた者達が次々に武本に寝返って行き、僕を苛める者が逓増して行く中、僕が転校してから僕を苛めていた二人の生徒も僕が人気の有る間は掌を返した様に僕と仲良くしていたのに矢張り、この状況に乗じて僕を苛めるようになったのだ。
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