美少女その壱

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 勿論、僕は可愛子ちゃんが好きだから照れながらも内心ほくそ笑んで挨拶を交わしていたのだが、中田に心を開いていた訳ではなかったので流石に一緒に登校する事は出来なかった。それで僕の住まいの方が学校側に在ったから僕は彼女と挨拶を交わしても自ずと独りで先んじて、すたすたと登校するのが常であったが、或る日なぞは挨拶を交わした後、いつもの様に僕が先んじて進んで行く内に彼女が駆け足で僕に迫り、「今村くーん!」と殊更に可愛らしく声色を装って声を掛けて来たものだから僕は意表を突かれ、思わず、ずっこけそうになってしまい、立ち止まったら彼女と一緒に登校する事になった。
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