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僕が綿谷さんの工房でいろいろ教えていただきながら仕事のお手伝いをしていると凛香が工房に顔を出した。
「こんにちは!」
「香座さん、おめでとう!」
綿谷さんが凛香に声をかけると、
「ありがとうございます。」
と凛香が笑顔でお礼を言っていた。
他の2人の従業員の方も手を止めて、凛香を囲んで休憩しながら話をした。
「今回は、とても良い義足を作っていただいて、本当にありがとうございました。
義足がとても足にフィットして快適に走ることができました。」
凛香が綿谷さんに向かって話をすると、
「今回は、香座さんの走りをしっかり観察して、僕にアドバイスしてくれた星宮君のおかげだよ!
星宮君が香座さんに良い走りをしてもらいたいという気持ちが僕にも伝わってきたよ!」
と綿谷さんは僕に花を持たせてくれた。
「翔琉君、本当にありがとう!」
凛香がお礼を言ってくれて少し照れくさかったけれど、僕はとても嬉しくて、
「凛香が優勝して、僕はとても嬉しかったよ!
本当におめでとう!
パラリンピックも応援しているからね!」
と僕の気持ちを伝えると凛香は、
「翔琉君、いつも助けてくれてありがとう!
パラリンピックも頑張ります。」
と笑顔で元気よく自分の前向きな意気込みを話してくれた。
この凛香の言葉を聞いて、凛香はパラリンピックでもきっと活躍してくれると僕は感じた。
この日の綿谷さんの工房は、凛香を中心に温かい笑顔で包まれていた。
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