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そうして、じいさまとばあさまに大切に育てられた。手の平に乗るぐらいの大きさだった自分が普通の人間の子どもくらいになるのに時は掛からなかった。
そんな時だ。自分に一つ目の転機が訪れたのは。
「ばあさま~~外で遊んできても良い?」
「かぐや、外は危ないよ。そんなに外に出たいなら、じいさんとーー」
「じいさん、何言ってんだい。この年頃の子は外で遊びたい盛りさ……良いよ行ってきな」
「ばあさんっ!」
「何か文句でもあるのかい?」
「いえ、何も……」
「わーーいっ、行ってきま~~すっ!」
自分を引き取ってから、じいさまは竹取りで大儲けしているんだって。何か光る竹を見つけては、そこから金が取れるとか。それで裕福になったんだって。
おかげでずっと家に居ても窮屈じゃなかった。でも、外への憧れはずっと自分の中にあった。
「外、外、外~~っ!」
縦横無尽に駆けていると、正面に自分と同じくらいの少年と出くわした。
「どいてどいて~~っ」
「へ?…………って、わっ!」
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