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かぐや、現る
ある日じいさまが教えてくれた。自分は竹の中にいたんだよ、と。
満月のきれいな夜。じいさまが竹藪に入ると、木々がざわめいてたそうだ。恐る恐る進むと月の光を浴びて黄金色に輝く竹が一本あったんだって。
不思議に思ったじいさまは、竹を割ってみた。そしたら、竹の中に小さな自分がいた、と。
「ばあさん、竹の中から小さな女の子が出てきたっ」
慌てたじいさまは急いで家に帰るとすぐに、ばあさまに告げた。すると、頭に拳骨一発。
「落ち着きなよ、じいさん。犬猫より大きな拾い物しやがってさ」
ばあさまは口では憎まれ口を叩くけど、自分の名前ーーかぐやって名付けてくれた。
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