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召喚の門が開いたのは、リリーが丁度風呂から出てきた時だった。正確には門が開く予兆だったので、リリーは慌ててガウンを羽織り乍らなんでも袋を手に持って召喚に備えた。
召喚の門は見るものが見れば誰が開けようとしているかがはっきりわかる。そしてリリーは紛れもなく召喚の門に関してはプロフェッショナルだった。恐らく、今までの『永遠の放浪者』としての長い人生の中でも五本の指に入る程に。
今リリーを迎えようとしている召喚の門は、明らかに過去か未来のどこかでリリーが何かに隠した門だった。ただし、まだ使われた事のないものだ。
何処かの世界線で、『混沌の魔術師』が求められている。リリーは召喚に備えて結界を展開した。
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