思い出のクライマックスジャンプ

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 仮面ライダーゼロノス。  物語中盤から登場した、新たな仮面ライダーだ。  変身者は良太郎の姉の婚約者と同じ名前を持つ桜井侑斗と、その相棒で世話好きでお節介なイマジン、デネブ。  実はゼロノスにはとんでもないデメリットがあって、変身する度に侑斗の記憶が周りの人間から忘れ去られていく。  電王において記憶とは存在を意味する。  過去の自分、そして、今の自分を消し去って、ゼロノスは戦い続けるのだ。 「シナリオライターは鬼畜か外道だと思う」 「まあー…外道衆の産みの親で頭アマゾンズだから多少はね?」  ナルコさんが溜め息混じりに言ったが、なんのことかよく解らなかった。 「でも、そんなゼロノスだからみんな記憶に残るんだよ。わたしね、記憶が消えるって解った時、絶対に侑斗のことを忘れないようにしようって思ったの。そうすれば、侑斗は消えなくて済むでしょ?」  ナルコさんの言葉に、俺は小さい頃を思い出した。  実は、ゼロノスがあんまり好きじゃなかった。  意地悪で、ぶっきらぼうで、ちょっとイヤな奴だったから。  けど、皆から忘れられて、自分も消えるってことを知った時、怖いと思うのと同時に、可哀想だと思った。  俺は絶対、侑斗のことを覚えていよう。  つまり、ナルコさんと同じ気持ちだったわけだ。 「…でも最近の客演じゃフツーに変身してるけどねー…3号の時もジオウの時もそうだったし…お前誰の記憶で変身してんねん!ってなるわー…」 「き、きっと視聴者の記憶じゃないかな?」  俺の適当なフォローに、ナルコさんは乾いた顔で笑った。 「その方が客演しやすいもんねー…ただでさえ電王はオリキャス出づらいし、出てもモモたちだけだし…いや、続編大量作ってくれたのは嬉しかったんだけどさぁー…」  いかん、ナルコさんのテンションがだだ下がり過ぎて思考がダブスタ気味になっている。  なんとか話題を変えねば…!
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