同棲スタート

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 彼の背後に広がるのは宝石を散りばめたような夜景。 どうしてそんな目で見つめるの? まさかこんな油断してるときに、まさか──。 「……むぐっ」 お見合いのときに続き、またも瞼を閉じた私の唇の隙間に押し込まれたのはチョコレートだった。 「お疲れのチョコ」 彼は素っ気なく言い、ワインを開け始める。 「今、手を使えないだろ?」 優しさなのか私に恥をかかせたいのかといえば、絶対に後者だ。 私ったらいったい何度引っかかれば気が済むのだろうか。 「手を洗ってきますっ」 しばらく口をモグモグさせてようやくチョコレートを飲み込んだ私は、真っ赤な顔で洗面所に逃げ出したのだった。
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