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「……あ、阿宮さんにそんな……!やらしいことなんて考えてないですよ!」
言われたことにムキになり、少し体を前のめりにしてさっきまでたどたどしく言葉を出していたが感情が入りハッキリとものを言う
それに対して田島さん落ち着いており、生返事で返されて声には出さず心の中で悪態をつけていた矢先……テーブルの上に置いて俺の手の上から被せるように手を乗せられ、目をやる
「やらしいことね……俺は寧ろ、そういうことしたいタイプだけどな。好きな奴には」
「それは田島さんの場合で、でしょう……俺は別にその、思うとか…そんな……っ!」
返す言葉を濁していれば被せられた手を握られて、引こうにも引けずまた睨んでみるものの指で手の甲を撫でられて背筋がゾクゾクとする
無意識に声が出そうになるのを堪えて唇を噛む。こちらを見る目は相変わらず何を考えているかわからない、その目線から逃げるように手を引っ込めた
「……そ、そもそもなんで俺なんかのことす……すっ好きとか言ってくるんですか。理由の一つや二つ……言ってくださいよ、その」
ギュッと触られていた手をテーブルの下で握り締めて、聞きたかったことが口から出てきてしまい自分で言っておきながら恥ずかしくなるのを必死に我慢する
キスをされたりがイタズラだったにしろ、好きだと言われても未だにピンと来ない。かと言ってだ……言われた本人がそんな聞き方をしてもいいものかと思うも、あとには引けない
「理由……?単に可愛いなって思ったのと、キスだけで勃ってたのが結構……きたな」
「なっ!?そ……そういうの周りに人いるんですからやめてくださいよ!」
「お前が聞いてきたんだろ、ったく……」
聞いた瞬間に後悔するも言われた時のことを思い出してしまい、まるで沸騰でもするんじゃないかと言うくらい顔が熱くなるのが自分でもわかる
「だっ!だからってそんなちょ……直球に言わなくても、田島さんもう酔っ払ってるならお開きしてもいいんですよ!」
そっぽを向いてつまみを口の中へ放りこみ、見てないふりをしながら横目で田島さんを見れば眉間にしわを寄せて不機嫌な表情でこちらを睨んでいた
「やだよ、阿宮が帰った時最初は腹が立ったけどお前が来るって聞いて……お前のこと独り占め出来るだなって思ったんだから。もう少しくらいは居ろよ……」
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