1136人が本棚に入れています
本棚に追加
それを受け取ってくれる阿宮さんの背後に大きな影が見え、目を向けた時には大きなチョップが阿宮さんの頭に直撃していた
「あうッ!」
叩かれた阿宮さんは男なのかと、聞きたくなるような可愛い声でを出して……俺はその可愛さに目眩がしそうになった
「おい、阿宮……さっきから口ばっか動かしてんじゃねぇよ、それともお前は残業がしたくてそうしてんのか?」
意地悪そうにも笑みを浮かべた後、呆れた顔をして腕を組む……阿宮さんの同期の田島さんだ。阿宮さんは叩かれたところ手で押さえながらも、田島さんを睨む
田島さんは身長が阿宮さんよりも高く、その上体型も文句が言えないくらい良く……そういえば女の子達が話していたのを思い出す。理想の彼氏像らしい
「うー……だからって叩くことないだろ、田島の馬鹿!」
阿宮さんも低いわけじゃないのに、田島さんが横に立つだけで可愛いく見えてしまう……実際のところ可愛いんだけど
例えて言うなら、クマさんとうさぎさんみたいな?兄と弟?そんな身長の差が出来ていて……もう少し低い俺があそこに……いや考えるのをやめよう
「……おい、誰が馬鹿だって?」
「えっ!お、俺はなんも言ってないですけーどぉ?……ねっ御ヶ原君!」
出来てもないウィンクをひたすらされて、いきなり話を振られた俺は可愛さに胸が張り裂けそうになるのを必死に我慢して
「そ、そうですよ!」
俺は笑顔で否定しました。阿宮さんの為ならば、どんな嘘でもついちゃいますから!!
「ほ、ほらほら近くに居た御ヶ原君も言ってるしー!田島は自分の席に帰った帰った!!」
阿宮さんは田島さんを追い払うように、背中を押していった。田島さんは先程から変わらずの呆れた顔で、席へと戻らずオフィスから出ていってしまった
最初のコメントを投稿しよう!