CASE 2

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流石は神谷さんの弟子。 気づいてらっしゃるようで……。 どっと疲れた私は向かいのソファに勢いよく腰を掛けると、ほんの少しだけ背筋を伸ばして彼を見つめた。 「あのさ、神谷さんって何者なのかな?」 「ん?」 「依頼主の旦那さんがここに来た時、"神谷さんにしか頼めない"って言ってたよね。  それって、どういう意味なんだろうってずっと考えてたんだけど、今日一日過ごして不思議なことがあって。最終的に、魔法みたいに物事が解決した、というか。いや、解決はしてないのかもだけど、なんて言うか」 「あー……」 そう言うとキョーヤはぐい、と上を向いた。はらりと頭のタオルが落ちる。 「そうだなぁ。神谷さんはスゲェよ」 そして、不意に。 見たこともない純粋な笑顔を向けられて、不覚にもドキッとした。 それを悟られないよう慌てて俯くと、彼はよっこらしょ、と起き上がってソファーに座り直し、胡座(あぐら)をかいてこう続けた。
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