Red×King×Vampire

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「僕はこんなにホノカのことを愛しているのに、ホノカはそうではないの? ホノカには僕よりも良い存在がいるの? それは誰? 人? 吸血鬼? ホノカの主人?」  アタシの頭の中で誰かがよぎりそうだったが、身体が少し離れたと思うと頬に手を添えられたのでビックリしてどこかへ吹っ飛んでいってしまった。 「ホノカ」  ブランがとてつもなく綺麗に整った顔を近づけてくる。これはもしや!? 「待って!! ストップ!!」  みゃー! キスされる!! 無理無理やめて! 美形のドアップに耐えられない!  もがこうとしたが無理だった。身体ががっちり固められている! ミシミシ鳴っているのに身体が離れない!! コンコン  ここで突然部屋の扉を叩く音らしきものが聞こえてきた。目だけを動かして真白な扉を見ると、少しだけ隙間が開いて誰かが身体を滑り込ませてきているところだった。  助かった! 大抵こういうとき、こういうことは中断される! 「ブラン、誰かうむっ!?」  キスされた! 止まってくれよ!! 誰か入って来たんだからやめてくれよー!! そういう漫画やドラマや小説はいつも止まっていたよ!?  そんなことを思っているとぬるっとしたものが唇を割って入ってきた。  し、舌! ひょえぇぇぇぇ!!  アタシはビックリして身体を強張らせた。その間にブランの舌がアタシの歯をなぞっていく。ぞくぞくっとして思わず歯と歯の間に隙間を開けると、舌はさらに奥まで入ってきた。アタシの舌先にブランの舌が当たる。  ひいぃっ。アタシは舌を引っ込めたが、ブランの舌が奥まで追いかけてきて絡めとられた。 「はうっ」  滑らかな感覚が口の中を這いまわる。湿っぽい音が結構な音量で耳に入ってくる。なんとか逃げようと舌を動かすが、その動きがいいように使われている。舌の裏まで舐められた。 「んんっ」  苦しくはないけれど、耐えられない。身体が弛緩してくる。 「んあ、ん」  頭の奥が痺れてくる。何も考えられなくなってくる。腰が、抜ける……。  がくりと膝が折れた。ブランが腰を支えてくれていたから倒れずに済んだが、身体が支えられなくて格子越しにブランに寄りかかった。  銀の格子が冷たくて気持ち良い。全身が火照っている。心臓がバクバクとうるさい。 「とろけてしまったみたいだね。可愛い。身体は支えていてあげるから、僕に任せておいて」
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