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来られても困ります
朝日が昇る前に起きて畑の水やりと草抜き、一段落したら朝ご飯を作って食べて、次に洗濯や掃除。
そのあと仕事である縫い物をして、お腹が空いたらお昼ご飯にして、終わったら再び仕事を暗くなるまでして、夕食を食べて寝る。
これがあたしの一日の過ごし方。
仕事以外にすることがあれば、仕事は置いといてそちらの用事をこなすのだが………
「ミラ、おはよう!」
ドアもノックせず、当然のように家の中に普通に入ってくる。
定位置となりつつあるあたしの隣の椅子に腰を掛けた。
「………おはよう、ザイアス……。」
初めて会った日から一週間が経った。
あたしはもう会うこともないだろうと思っていたのだが…
まさか次の日にやってくるとは夢にも思わなかった。
一応ザイアスにも予定はあるみたいで、毎日来ることはないが、きっちり一日おきに朝からやってくる。
昨日来なかったので、今日は来るのだろうなと思っていたのだけれど………
やっぱり来た。
「……今日は何しに来たの?」
この返答も毎回同じなのだが、一応聞いてはみる。
「ミラに会いに来た。」
世の中の女性が骨抜きにされそうな爽やかな笑顔でこう答えるのだ。
……そう、どうやらあたしはザイアスに懐かれたようなのである。
「……それはごくろうさま。」
あたしは半分あきれながら、後半分はうんざりしながらため息を押し殺す。
「服、できたのか?」
そう言って、あたしの手元をのぞきこむザイアス。
「あともう少しってところかな。」
できれば今日仕上げて、あの親子のところへ持っていこうと思っている。
洗い替えも必要と思い、今作っているのは二枚目の赤ちゃん用の服。
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