いつまで私の事を見ているの? もしかして大好きなの?

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1.視線を感じる 今私は外を歩いている。 歩いていると視線を感じる。 周りを見回すと誰もいない。 確かに私をずっと見る視線を感じる。 周りをキョロキョロとしていると何も感じない。 一体どういう事なのだろうか。 私は仕方ないのでまた歩く事にした。 私の名前はキリス・マキュア。 年齢22歳で貴族です。 貴族だからこそ、こんな風に外をぶらぶらとできるのよね。 また私を見ている視線を感じる。 今度こそ、視線の主を突き止めてあげるわ。 そこで私は透明魔法を使うと自身を透明にするのだった。 これで私を見つめてくる正体がわかるわね。 すると一人の男性が私をすり抜けて通り去っていく。 きっと今の男性が私の事を見ていたのね。 私は追いかける事にした。 男性は私をどうやら探している様子だった。 しかし、私は透明魔法を使っているので私は透明である。 男性はまだ私の事を探している。 そろそろ透明を解除して目の前に現れるとしようかしらね。 私は透明を解除して男性の目の前に現れた。 すると私にびっくりして男性は尻餅をついた。 「いつまで私の事を見ているの? さっきからずっと見ているよね?」 すると男性は 「見ていません、本当です」 「嘘つかないの、私の事を隠れてコソコソとずっと見ていたくせに」 「………………」 男性は黙ってしまった。 「もしかして私の事が大好きなの?」 「ち、違います」 「じゃあ、なんで私の事をいつまでも、ずっと見ていたのよ」 「そ、それは……大好きだからです」 「ほらっ、大好きなんじゃない」 「はい、大好きです」 「貴女お名前は?」 「マルガ・イクスです。市民です」 「市民のくせにしてこの私の事が大好きなのね」 「は、はい、大好きです」 「私の名前はキリス・マキュア。貴族よ」 「貴族なんですかっ!」 マルガ・イクスは驚いている。 市民が貴族に近寄ろうなんて100年早いわね。 それに私の事を大好きになるなんて一億年早いわね。 この市民のマルガ・イクスの事はどうしようかしらね。 「聞きたい事があるわ」 「な、何でしょうか」 「貴女年齢は?」 「18歳です」 「私は22歳よ」 「年上なんですね」 「そういう事になるわね」 年下のくせにして貴族の私を大好きになるなんておかしいわね。 それと市民と付き合うって事になると変な噂が流れると嫌だわ。 やっぱり、追い払うべきだわ。 「貴女の事は好きでもなんでもないわね、さようなら」 私はこの場から離れるために歩き出した。 するとマルガ・イクスは立ち上がって私の事を追いかけてくる。 追いかけてくるとマルガ・イクスはコケる。 コケる時に私の高級服のドレスを手でつかんでコケてしまった。 その際に高級服のドレスがビリビリと破けて私のパンツが丸見えになる。 すると私は 「きゃあああっ、私のドレスが……それにパ、パンツが……」 マルガ・イクスに私のパンツが見られてしまった。 もうお嫁にいけない。 どうしたらいいのかがわからない。 するとマルガ・イクスは 「ご、ごめんなさい、悪気はないんです」 悪気があったら説教しているわね。 まぁ、マルガ・イクスも反省しているみたいだし、許してあげる事にしようかしらね。 「貴女の事は許すわ、ただし、ドレス分は私と共にいなさい」 「それってどういう事なんですか?」 「ドレスを台無しにした挙句に私のパンツまで見たんだから、責任持って私の事を面倒みなさい」 「は、はい、わかりました、でも、俺は市民です、そこまでお金はありません」 「お金なんて要りません。私の恋人としていなさい、許可するわね」 「あ、ありがとうございます」 マルガ・イクスは喜んでいる。 市民が貴族と付き合えるなんて奇跡に近いのだからね。 私自身も市民と付き合うなんて初めてだわ。 「マルガ・イクス、私の事はキリスと呼びなさい。貴女の事もイクスと呼びます」 「はい、わかりました」 「それと今日から私のお屋敷で住みなさい、命令よ」 「えっ? いいのですか?」 「構いません」 「あ、ありがとうございます」 変な噂が流れると嫌なので私のお屋敷で一緒に済ませる事にした。 一緒に住む事でイクスを使用人とできる。 イクスは恋人兼使用人。 これで問題解決ね。 さてと、後はイクスには相応しい服装をしてもらわないといけないわね。 そのままの格好だとだらしない。 市民のオーラが漂っている。 こんな格好で私の隣を歩いて欲しくない。 私に相応しい姿で隣に居て欲しいというのも事実。 この後も私はイクスと恋愛をして過ごしていく。 一緒にお屋敷で住み始めるとイクスは本当によく使用人として 働いてくれている。 恋人としても恋人らしい事をしてくれている。 この私の貴族に相応しい格好、行動をしてくれた。 イクスと出会って本当に良かったと感じる。 市民と付き合うのも悪くないと感じる。 それも全部イクスのおかげなのかもしれない。 イクスには感謝しないといけない。 私の人生はイクスと出会う事だったのかもしれない。 今は本当に幸せです。 これ以上ないくらいに幸せです。 イクス……ありがとうございます……。
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