ただいま。

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   いつからか、母親の気はおかしくなっていった。いい気味ね。  だってこの家は、貴方たちが越してくるずっと、ずっと前から私のものだもの。私は人形だけど、これからだってそう。庭にある大きな木も何もかも、誰にも渡しはしない。  ぎぃ、ぎぃ……、と大木の幹が軋む。そこからロープで吊り下がった彼女を見て、私は少女の腕の中でほくそ笑んだ。 《完》
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