プロローグ

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それっきり南条さんと顔を合わす事はなかった。 拓郎を忘れる為に天空島に来たはずなのに、拓郎と瓜二つの男性に巡り会うなんて… 神様は何を考えてるの? 一時間半の短い船旅を終え、天空島に到着。 タラップを降りて、波止場へと下り、島に足を踏み入れた。 「凛香ちゃん!!」 波止場には見慣れた顔があった。 大声の主は私の名前を呼び、大きく手を振っていた。 「大輔さん!!」 羽柴大輔(ハシバダイスケ) 海沿いのコテージハウス『ブルーサファイア』の経営者で母方の伯父。 大学一年生の時、伯父にひと夏だけ、コテージのアルバイトに来てほしいと言われ、リゾートバイトに興味のあった私は同じ大学に通う工藤あかねと一緒に夏休み限定で伯父の元で働いた。 その時、同じ東京の違う大学に通い、友人とアルバイトに来ていたのが拓郎だった。 伯父の大輔さんが私たちのキューピット役となったのだ。
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