思わぬ宿泊客

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「・・・でも・・・貴方は仕事でこの島に・・・」 「状況が変わった。仕事はなくなった…だから、暇なんだ」 「拓郎になるのは単なる暇つぶしですか?」 「嫌ならいいけど・・・俺、君の拓郎さんにそっくりなんでしょ?」 「・・・」 「まずは手始めにレンタカーで観光スポットを回ろうか?」 私は南条さんの強引な提案を拒否出来ず、朝食後、二人でレンタカーショップに足を運び、一台の車を借りた。 「オープンカーの運転は初めてだ…」 「・・・」 今日も快晴で、空も海も真っ青。 全身に潮風を浴びて、海沿いを走った。 「南条さんは普段、どんな仕事されているんですか?」 「フリーランスのITエンジニアをしている」 「へぇーっ…」 「君は?」 「食品会社『クリスタルコーポレーション』の秘書課で働いています」 「へぇーあの神宮寺社長の会社か・・・」 「神宮寺社長をご存知なんですか??」 「俺のビジネスパートナーだから…」
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