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「俺は余命半年と医師から宣告を受けた」
突然の彼の告白に驚愕した。
私と同じで何かワケありだとは思っていたが。
「俺は全てを忘れる為に…」
彼は残酷な現実から逃れる為に私の体を抱き潰したんだ。
彼の言葉で理解した。
「・・・玲斗さん!?」
「まぁー…手術をすれば…もっと長く生きられる。でも、その手術は成功率が低い・・・」
彼が私に天空島に来た理由を話してくれた。
「天国に近い島と言うキャッチフレーズの天空島に来たのは、生きてる間に天国を見ておこうと思ったから。船酔いしてる俺を優しく介抱してくれた凛香さん。
一人で『ヘブンズホテル&スパ天空』に宿泊し、手術を受けるかどうか…島に滞在して決めるつもりだった・・・ふと、凛香さんを見て、思ったんだ。
最初で最後の恋をしてみようかと・・・女性経験は豊富にあるけど…自分から好意を寄せて求めた女性は一人もいなかった」
「・・・」
「俺が初めて欲した女性は君だけだ…」
「・・・でも、私は…貴方を…」
「君にとって俺は亡くなった婚約者の拓郎と代わり・・・」
「最初はそうだったかもしれないけど…今は違います…貴方を見ています…」
「それは嬉しいよ…凛香さん」
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