三人の男

5/6
前へ
/91ページ
次へ
「・・・」 やっぱり…そっくり… 自分に似た人間は自分を含めて世界に三人存在すると言う。 拓郎のドッペルゲンガ―は玲斗さんとそして今私の目の前を通り過ぎた筒見社長。 私は筒見社長の姿が見えなくなるまで…目が離せなかった。 サラサラした黒髪。 鼻筋が通り、品のある美麗で整った顔立ち。 長身に彼のスタイルに合わせたオーダーメイドの高級スーツ。 切れ長の黒い瞳はとても理知的。 拓郎と言うよりも筒見社長は玲斗さんによく似ていた。 玲斗さんも筒見社長と同じストイックに見え、性欲は淡泊な印象を受けた。でも、私の持つ印象は全く逆。 彼は一旦欲望のスイッチが入れば、どう猛で快楽を追い求める獣となった。 拓郎とは味わえなかった絶頂を体現し、私は玲斗さんに女の悦びを教えて貰った。 一児にママだと言うのに…私は昼間から不埒な考えてしまった。 心の中で猛省した。
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

676人が本棚に入れています
本棚に追加