現世(うつしよ)のささやかな希望

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その笑いに私たちは毒気を抜かれたかのようにその場に立ちすくんだ・・・。 「君は誰だい?」 多数が意を決したかのように聞いた。 「淳子・・・ここの家に住んでいるわ。」 淳子さんは、多数の眼を見てそう答えた。 「あ・・・あの、割り込んですみません、淳子さんはここに住んでいると言う事ですが・・・もしかしたら改造人間ですか?」 マッチーが突然失礼ともいえる様な事を言った。 その言葉に淳子さんは・・・う~んと唸ると、壁際の棚を指さして言った。 「改造人間じゃないけれども似た様なものかな・・・。」 淳子さんが指さした棚には・・・木や合成樹脂で作られた人間の足が・・・何個も何個も置かれていた・・・。 私の後ろでさっきゅんが『いやっ・・・。』と小さく叫んだ。 その言葉を聞いてりうじが言った。 「やはりショッカーみたいな秘密結社のアジトだったんだな。」 勝ち誇る様に言うりうじに、淳子さんは一瞬・・・戸惑った顔をしたが、急に・・・笑いながら低い声で言った。 「もし・・・そうだとしたらみんなはどうするの・・・?」 「け・・・警察に言う。」 「じ・・・自衛隊を呼ぶ。」 「お・・・俺が悪の組織を叩き潰す。」 みんながみんな・・・点でばらばらなことを言った。
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