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その様子に淳子さんは笑うと言った。
「さあさあ、早くお帰りなさい・・・子供が遊んでいていい時間はとっくに過ぎたわ。」
その言葉に多数が反論した。
「ぼ・・・ぼ・・・僕達は、この館の謎を解明に来たんだ・・・淳子さん・・・と、言ったね・・・き・・・君の身柄は、か・・・確保した。」
多数の言葉に私たちは緊張した・・・。
その様子を見てか、淳子さんは言った。
「早く帰らないと・・・バッタの怪人にされちゃうよ。」
「仮面ライダーならなってみたいな。」
私がそう言うと、千冬が言った。
「悪の組織の手先になるのは嫌だ・・・私はメキシコに行って『虎の穴』に入って最強のレスラーになるんだ。」
・・・千冬・・・極真空手を習っているのはその為・・・?私は心の中で、西川きよしの様に突っ込んでいた。
「じゃあ、淳子さんは何故ここから逃げないんだい?」
多数が聞いた。
淳子さんは急に真面目な顔をして言った。
「実は・・・私も改造人間手術を受けているから・・・もうショッカーの一員だからね。」
「ええっ!」
淳子さんの言葉に皆絶句した。
私たちが驚くさまを見て淳子さんは続けて言った。
「そろそろ、悪の科学者プロフェッサー・カホが司令部の会議から戻ってくるはずだわ。
早く帰りなさい・・・私がまだ人間としての意識を保っている間に・・・。」
そう言うと急に苦しみだし・・・俯いたまま、今度は低い声で言った。
「オ・・・マ・・・エ・・・タチ・・・ケッシテ・・・ノガサンゾ・・・。」
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