現世(うつしよ)のささやかな希望

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その後、私達は夜分に子供だけで帰るのは心配だという香帆先生の言葉で、家に連絡をしてもらって、それぞれ家に帰った。 多数は、肝っ玉母ちゃんに耳を引っ張られ・・・悲鳴を夜空に木霊せながら帰って行った。 千冬もお父さんに拳骨(げんこつ)を貰いながら・・・りうじもマッチーもそれぞれの両親に怒られながら帰った。 さっきゅんは心配して泣きはらしたお母さんに連れられて帰って行った。 私は、姉の佐和にみっちりとお小言を言われながら帰った・・・。 でも、一つだけみんなで約束したことがあった。 それは・・・学校が終わったら金鯱少年探偵団はここへ来て淳子さんの話し相手になってあげようという誓いだった。 その誓いは、淳子さんが車椅子で復学出来るようになるまで続いた。 それから、姉は淳子さんと同じ中学だったせいもあり、香帆先生と親しくなり将来は医者になりたいという希望もあったせいか、N大の医学部を出てそのままN大の研究室に入り香帆先生の研究を陰ながら手伝った。
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