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「立派なお葬式だったね。」
私は黒の礼服にかかる雨粒を払いながら、隣を歩く喪服姿の5つ離れた姉、佐和に言った。
姉は、傘を少し私の方に傾けながら言った。
「御立派な研究をされていた先生ですもの、知己も多いしお慕いになる方も多かったのでしょうね。」
姉はそう言うと、私に『あら、晴れて来たわね・・・。』と言うと傘を畳み、そのまま口を噤んだ。
私は薄っすらと差し込む光を見詰めながらあの日を思い出していた。
友達との大冒険の日を・・・。
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