現世(うつしよ)のささやかな希望

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「青髭が改造手術をしているんだ・・・。」 りうじが、ごくりと唾を飲み込みながら言った。 「でも・・・変ねえ・・・明かりが点いているなら外からでも見えた筈なのに・・・。」 さっきゅんがこれまた冷静な判断をぶつけて来た。 「よし、行くぞ・・・金鯱少年探偵団の晴れ舞台だ。」 「き・・・きんしゃち・・・?」 マッチーが言った。 「名古屋城の金鯱だよ、ありゃあ・・・カッコええがね。」 マッチーの言葉に多数はそう言うと、千冬の背中を指でつついて前へ進むよう促した。 千冬は大きく深呼吸をすると、空手の型だろうか・・・正拳と蹴りを虚空に放つとゆっくりと前に歩いて言った。 「さすが、千冬・・・いざという時は頼りになるわね~。」 懐中電灯を照らしながらマッチーが感心した様に言った。 やがて・・・長い長い10mが終わり・・・私達はドアの隙間から灯りが漏れる部屋の前に立っていた。 「どうする?踏み込むか?」 Gメン75をかかさず見ているマッチーが多数に言った。 その言葉に多数はしばし考えて言った。 「先頭は千冬と俺、遼(私の事)とりうじは援護、さっきゅんとマッチーは灯りを頼む。」 多数は、まるで少年探偵団に出てくるリーダーの小林少年の様にそう言うと、周りを見回した。 「OK」 「やってやろうぜ!」 「行くか・・・。」 みんなそれぞれの感想を呟いた・・・。
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