最高の誕生日

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「残念なイケメンって……、それ笑っちゃう……。副社長も美月からそんなこと言われてるなんて思ってないだろうねー」 彩矢は大笑いしながらグラスに入っていた白ワインを飲み干すと、 「でもね、私は秘書の仕事、美月に合ってると思うんだ」 先ほどとは違い、今度は真剣な顔をして私を見つめる。 「彩矢何言ってるの。全然向いてないよ」 私は大きく首を横に振りながら、ありえないといった表情で彩矢を見た。 「ううん。美月ってね、自分では気づいてないと思うんだけど、昔から誰に対しても自然と気遣いができるんだよねー。ほんとに自然に……。 私、美月のそういうとこ、昔からすごく尊敬してる。それにさ、責任感が強いから、苦手だったり嫌なことでもきちんと調べてやり遂げるでしょ。 だから美月なら安心して仕事を任せられるもん。副社長も少しは感じてると思うよ」 お世辞ではなく、こうして真剣に私のことを思って褒めてくれる彩矢に、私はいつも元気をもらえる。 自分の気持ちがくすんでいたとしても、彩矢に会って話をすると、いつの間にかその気持ちが消え去っている。 彩矢と知り合えて、彩矢と友達になれて本当に良かったな。 私はグラスの中に残っていたワインを口に入れた。
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