幸せな気持ち

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「美月、ここが寝室。一度入っているから覚えてるとは思うけど……。今日から美月がここで寝て」 「えっ?」 副社長の言葉に驚いて顔を見つめる。 「そ、そんなことできません……。ここは副社長……、あっ、壮真さんが寝てください。私はソファーで寝させてもらっていいですか?」 首と手を左右に大きく振りながら拒否する私に「ダメだ。美月はここ!」と言って全く聞き入れてくれない。 「ほんとにここでは寝れません。ソファーで寝させてください。お願いします」 「ダメ。美月をソファーで寝かせるなんてできるわけないだろ。美月はここな」 「壮真さん……。ほんとにお願いします……」 「そんなに言うなら、俺と一緒にこのベッドで寝るか? クィーンサイズだから2人で寝ても十分な広さだぞ。俺はその方がうれしいけど」 「えっ、いやっ、い、一緒にって…………」 ドックン──と胸から飛び跳ねるような大きな音が鳴り、カーッと顔に熱が上気してきた。 そんな真っ赤になる私を見て、副社長は包み込むようにすっぽりと私を抱き締めた。 「美月、そんな可愛い反応するなよ。ほんとに襲いたくなってしまうだろ……」 頭上から降り注がれる声に、私はますます真っ赤になった顔を見られないように、副社長の胸に顔を埋めた。 「あっ!」 私を抱き締めていた副社長が突然声をあげた。 何が起こったのかと腕の中から顔を見上げる。 「美月、俺たち夕飯食べてなかったよな。腹減っただろ? 帰りにどこかで食べてくればよかったな。うち何もねえし……。どうする? デリバリーでも頼む?」 「あっ、夜ごはん……。デリバリー? ピザですか?」 「ピザ以外にも色々あるぞ。寿司に中華にパスタにカレーに……。確かリビングにチラシがあったはずだから見てみるか?」 私はコクリと頷き、リビングへと移動した。
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