幸せな気持ち

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「明日は2人で外に美味しいものでも食べに行こう。何が食べたいか考えておいて」 「あ、あの……、明日なんですけど……」 副社長の表情を窺うように瞳を見つめる。 「一度お家に帰ってもいいですか?」 私の言葉に副社長がほんの少し顔を曇らせた。 「家?」 「はい……。ここで一緒に生活させてもらうことになると、会社に着ていく服とか少し持ってきたいんですけど、いいですか?」 「ああ、服ね。いいよ。じゃあ明日一緒に車で取りに行こう。他にも必要なものがあれば全部持ってきておいたらいいよ。美月、なんなら部屋を解約してここでずっと一緒に住んでもいいけど」 「えっ?」 「冗談だよ、冗談………。いや、半分は本気だけどな……」 バツが悪そうな顔をしながら、話をごまかすように「これ、旨いぞ」とローストビーフを頬張る副社長。 私はどんな表情を向けていいのか分からず、目の前にあったお味噌汁を手にとり、忙しくなった心臓の音を落ち着かせるように口の中へと流し込んだ。 ごはんを食べ終わって食器を洗い終えると、いつの間にお風呂の準備をしていたのか、副社長がバスルームを指差した。 「美月、風呂入れたから先に入って。疲れただろ。ゆっくり入っておいで」 「いえ、私はあとで大丈夫です。壮真さんこそ疲れてるでしょうから、お先にどうぞ」 副社長より先に入るなんて……と思いながら、慌てて首を振る。 「俺はあとでいいから。ゆっくりお湯に浸かると疲れがとれるよ」 「いえ、ほんとに私はあとでいいですから……。壮真さんお先にどうぞ……」 「そんなに言うなら、美月一緒に入る?」 ニヤニヤと私の反応を楽しそうに見ながら、またしても赤面するようなことを言う。 「い、いえ……、さ、先に入ります……」 私は急いで着替えの準備をすると、リビングを出てバスルームへと向かった。
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